里山の原風景とも言える下田の古民家は、明治中期(1890年ごろ)に建てられました。
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(写真外右3棟などを除く)
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2階建て約50坪の、作業場であり住居でもある建物です。1階南側には和室があり、中間部分は土間、北側には厩(うまや)があります。
また、2階には蚕(かいこ)部屋もあります。
建設当初は瓦屋根で、「下田」と屋号の入った鬼瓦が使われていました。
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1階の和室は隠居部屋(お年寄りが生活する部屋)としても使われていたようで、黒柿の床柱のある立派な床の間があり、意匠にも工夫が凝らされています。
土間には農耕器具や養蚕・お茶栽培に関係する道具が保管されています(詳細は民具ページをご参照ください)。
これらの道具類はただ保管されているだけではなく、今現在も近隣小学校が参加する稲作体験事業で実際に使われ、100年前の里山の生活体験の一役を担っています。
また、古民家裏手には木小屋があります。木小屋は木材や藁(わら)、薪(まき)や炭(すみ)などの資材を保管する場所でした。通風機能に優れた構造で、江戸川以東でよく名づけられた名称です。ここから出荷される薪は「佐倉薪」といわれ、江戸にとっては燃料供給源であり、この地の人々にとっても貴重な収入源でした。
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私たち下田の杜フォーラムでは、専門家の協力を得つつこの古民家を再生活用して、里山の文化を守り伝承していきたいと考えています。