下田の杜は自然博物館! Shitadanomori is a Nature Museum
下田の杜は、普段見かける公園とはずいぶん違います。
遊具や砂場はひとつもありません。草も短く刈らず、いっけんするとボウボウ…スポーツできるような広場とは大違い。どうしてでしょう?
それは、下田の杜が自然環境を優先的に考えた公園=自然博物館だからなのです!
人間の暮らしとともに命を営む生きものたちを、なるべくたくさん、多様に残すため、下田の杜では森・湧水・水路・池・草地・田畑などのつながりを大切にしています。
今どきのアトラクションはありませんが、大人から子どもまで、四季折々の里山風景を全身で楽しみ、体験し、ほっと一息つける場所です。
まちなかに奇跡的に残る里山・下田の杜を、ぜひお楽しみください。
ガイドマップと見どころの説明
① バッタ広場:
夏には歩けばバッタが飛び出すバッタ広場。
この草地は、四季折々に植物や昆虫の観察ができる大切な場所です。そのため草刈も高さを10cmまでとし昆虫が暮らせる環境を残しています。
近隣の学校の子ども達も年間を通じてやってきます。
② 観察池:
池の水はすべて湧き水で、2つの池には日々約150tの水が集まってきます。季節により濁ったり澄んだり、アオミドロ(藻類)が発生したり…様々に変化しますが基本的には自然にゆだねています。近年は外来種が多く見られるようになり、法律に従って管理しています。
③ 水路:
流れている水はすべて下田の湧き水です。
水質が良くヤゴ、カワニナ、アメンボなどの生活の場となっています。夏~秋は、トンボの産卵のために草を刈ります。
④ フクロウの森:
下田の杜に生息するフクロウが雛を育てるためになくてはならない森です。近年は近隣の森が減少し、行き場を失ったカラスたちが集結し、フクロウの暮らしに深刻な影響を与えつつあります。フクロウの森は原則として立ち入りを制限しています。
⑤ 虫の楽園:
ここには蝶などの昆虫が卵を産み付け、幼虫が餌にする植物を集めています。なるべく自然の状態を保ちたいので、機械による草刈はせず、外来種を手で抜き取るなどの管理をしています。
⑥ 田んぼ:
ここは主に近隣の学校や地域の子どもたちが田植えから稲刈りを体験する田んぼです。かけ流し水田としており冬でも湧き水が満ち、鳥たちが餌を探しにやってきます。
⑦ 畑:
年間を通じて様々な作物を育てています。無農薬・無化学肥料として枯れ葉で作った堆肥で育てます。作付けや収穫、草取りなどの際は、一般参加の皆様と一緒に作業します。
⑧ 生産緑地:
下田の杜の地権者の土地です。梅や杏、ビワ、ブルーベリー、栗、柿、かんきつ類といった果樹のほか、畑作物も栽培しています。
個人の土地につき一般の方は入ることができません。
⑨ 吉峰荘エリア:
地権者の旧住宅エリアで、毎週日曜日に開放しています。下田の杜の活動の紹介やパンフレットの配布、販売物などを扱っています。イベント時には住宅裏手の屋敷林エリアを散策でき、野馬土手などの歴史遺産を見ることができます。
エリア内にある サンクチャリ は湿地(元田んぼ)で、現在は生態系に配慮したビオトープとして管理しています。
個人の土地につき開放日以外は入ることができません。
⑩ 特別緑地保全地区:
文化財産や自然林を良好な状態で保全し、未来に繋げるため法律(都市緑地法)で指定したエリアです。この法は、公有地に限らず個人所有の土地にも適用することができます。 下田の杜では、江戸時代に造られた野馬土手が現存する「二重堀の森」をはじめ、複数地権者所有の樹林など約2.5haが指定されています。
個人の土地につき一般の方は入ることができません。